オーストラリア

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基本情報

(2015.3 掲載)
オーストラリアは、1993年6月18日にCBDに批准している。名古屋議定書は署名のみ行っている。


(2014.3 掲載)
 その豊富な生物資源に対してオーストラリアは、(1)オーストラリア生物多様性保全国家戦略とバイオテクノロジー国家戦略、(2)オーストラリアの遺伝資源・生物資源へのアクセスと利用のための国家的統一アプローチ(生物多様性と自然という資本を保護すると同時に、遺伝資源・生物資源の持続可能な利用からの経済的、社会的、環境的利益を最大にする。)という国家戦略をたてている。
 
 環境省は連邦政府の生物資源ABS政策に基づいて、各州が整合性のある州法を策定するよう推進している。 さらに、オーストラリア・クイーンズランド州は先進国で初めての生物資源に対するアクセス法(クイーンズランド州・Biodiscovery Act 2004)を制定した。 その後、連邦政府が連邦管轄地を適用範囲とするアクセス法(EPBC Regulationsの第8部)を定め、北部準州(Northern Territory、州都Darwin)もABS法案(BioResources Act)を2006年に制定し、2007年2月14日に施行した。
•ビクトリア州、タスマニア州はABS政策を策定している。その他西オーストラリア州などでABS政策やABS州法が検討中である。
 
オーストラリアの手続きについては下記WEBサイトを参照されたい。


CBD/ABS関連法令

(2013.2掲載 2015.3 更新)

オーストラリア連邦法

原文
邦訳
Environment Protection and Biodiversity Conservation Act 1999
オーストラリア連邦法『環境保護および生物多様性保全に関する法令』(1999年)

オーストラリア連邦法

原文
邦訳
Environment Protection and Biodiversity Conservation Regulations 2000
オーストラリア連邦法『環境保護および生物多様性保全に関する施行規則(2000年)

クイーンズランド州

原文
邦訳
Biodiscovery Act 2004 (2004.11.12)
クイーンズランド州 Biodiscovery Act 2004

その他情報

(2013.2掲載)

1.過去の調査、報告、2国間ワークショップ




2.バイオ関連研究機関

(2006.5掲載)

1)クイーンズランド州

オーストラリア海洋科学研究所(AIMS)


Australian Institute of Marine Science、AIMS (http://www.aims.gov.au)

概要
オーストラリア海洋科学研究所(AIMS)は先進国オーストラリアの国立研究所(連邦制定機関)であり、海洋科学の分野では最先端の技術と成果を保有する組織である。その中央研究所はクイーンズランド州タウンズビル市の東南50kmのファーガソン岬に位置し、海洋学研究の拠点であり、グレート・バリア・リーフ世界遺産地域に面している。2004年クイーンズランド州が州法を定め、AIMSは生物資源へのアクセスのフォーカルポイントとされた。また3カ年計画ではAIMSが積極的に外部との共同研究を推進するとしている。
AIMSは、地方機関、国立機関、海外機関と協力して海洋環境保全と多様性の観点から、また海洋バイオテクノロジーと沿岸遷移の立場から研究を行っている。調査と解析は現地の海洋と最高の設備を誇る実験室の両者にて行われ、守備範囲は分子レベルから環境システムレベルまで網羅している。こういった活動を通じてAIMSの研究者は、オーストラリア国家の長期的展望にたつ海洋資源の利用に貢献している。
AIMSは1972年に設立され、世界的な学術的海洋研究所へと成長したが、2002年の法的措置により研究成果の商業化が強化された。そのミッションは、「革新的かつ最高レベルの科学技術研究を通じて、海洋資源の持続的利用と海洋環境保全を支援するために知識・経験を積み重ねそれを移転する」とある。AIMSの行動原理として「選ばれた分野における海洋研究をリードし、より大きな利益と価値をオーストラリア政府に、共同相手に、顧客に、国民にそして一般市民にもたらすこと」が掲げられている。
このミッションを遂行するためにAIMSの組織は、1)海洋保全と多様性部門(珊瑚や魚類生物学を含む浅海環境の生態と海底の多様性アセスメントに特に優れている)、2)沿岸環境等の遷移部門(マングローブと塩沢の生態を専門として海洋物理学、海洋生物学、生物地球化学に成果を発揮している)、3)海洋バイオテクノロジー部門(海洋天然物化学、分子生物学、生理学が専門で、野生の生態系と同時に養殖場での海洋生物の研究に威力を発揮している)の3つの部門に分かれている。

組織とインフラ
スタッフは約160名で、2/3が前記3部門の研究に従事している。そのほか研究サービス部門等があり、内部の研究支援、顧客サービス部門、IT、人事、経理などをサポートしている。また常時60名程度の客員研究員と学生が滞在して研究に従事している。
AIMSでは所長(CEO)が、研究部門、経理、人事、その他のサービス部門の責任者で構成される上級管理者とともに、研究所を統括し、科学省が指名する諮問委員会に報告する。2003年の時点で所長はStephan Hall教授、管理部長はPeter Willer氏、研究部門長は、Chris Battershill博士、Julian Caley博士、Frank Tirendi氏、CFOはVic Bayer氏、人事部長はLeone Gregory氏である。
AIMSの研究所はオーストラリア国内の3カ所にあり、中央研究所はクイーンズランド州タウンズビル市のファーガソン岬にあり、そのほか北部準州のダーウィンと西オーストラリア州のフレマントルに支所がある。
ファーガソン岬の施設は、国立公園と海洋保護区に囲まれた200haの敷地内に12,500m2の建物を持っている。その主研究棟には目的に応じた実験室があり、有機化学、地理化学、生化学、分子遺伝学、分析化学が可能、また生態学的研究を支援する多目的実験室もある。ファーガソン岬の建物は最近拡張され、バイオテクノロジー・センターが設けられた。ここではDNA解析、細胞培養、微生物学、発酵生産と物質の単離精製が可能で、放射性同位体実験室、600MHzと400MHzの核磁気共鳴(NMR)や質量分析(MS)の機器分析室もある。
ダーウィンにはAIMSとオーストラリア国立大学(ANU)と共同で設立したアラフラ・チモール研究施設(ATRF)がある。これは海洋と沿岸の共同研究を通じて経済成長を支援するためのインフラで、建物はチャールズ・ダーウィン大学のキャンパス内に2005年に完成した。

研究の優先順位
AIMSの予算配分は政府により3年ごとに決定される。これに従って研究計画も3年ごとに立てられることになる。3カ年計画を立てる前に、研究成果の利用者とともに、戦略的方向性、海洋科学の国家戦略の優先順位、及び研究所の受容能力などを協議する。これには、地域社会の必要性分析、海洋関連業界の問題点分析、AIMSによってのみ可能な分野の分析が含まれる。
AIMSの指針原理は、その研究目的にミッションとの矛盾がなく利害関係者の支持が得られると言うことである。これを遂行するために採択された2003年から2006年の計画では以下のステップを踏む。

  1. 他と差別化できる領域を見極める
  2. 当該領域の利害関係者を捜す
  3. AIMSの能力によって個々の利害関係者にもたらす利益を反映する成果を記述する
  4. 個々の利害関係者と協議の上、国家研究戦略に準拠した成果の有効性を確認し優先順位をつける
  5. 利害関係者の反応・コメントを促進し成果のリストを作る
  6. 研究チームを結成し実施計画を作る

研究の最終的な形態を決定するにはいくつかの相互に関係する要因がある

  • 優先順位
  • 現有人材での実行可能性
  • 他の研究期間との協力・共同の可能性
  • 利害関係者との連携レベル
  • 国家及び国際レベルでの戦略的意義

個々の研究グループの能力に基づいて計画を練った結果、2003年から2006年の計画では明確な成果をもたらすには下図に示す9つのチームが必要であることが判明した。



国家的優先課題への貢献
2003年から2006年の研究計画では連邦政府の優先的研究課題への重要な貢献が歌われている。とりわけ「環境上持続的なオーストラリア」に関してはAIMSの任務と明確にリンクしている。AIMSの研究で国家的スケール(例えばグレート・バリア・リーフの水質)と国際的スケール(例えば気候変化)で重要な課題解決に取り組む。さらにAIMSは検証可能な形で優先課題「最先端技術によりオーストラリアの産業を興し変革する」に寄与する。AIMSの海洋バイオテクノロジー部門は新技術開発のために商業的に有意義な協力関係を築いており、「健康推進と維持」「オーストラリアの保護」に寄与する。

2003年から2006年の戦略
現状の基礎的な強みをもとに、AIMSは引き続き国内外の共同研究ネットワークを構築、発展させ、これによりAIMSの能力を強化し、国家予算を人材とインフラに活用する。この取り組み姿勢に基づき、最大限の利益を追求するために資源の有効利用を図る。
9つのAIMS研究チームは目標と実施計画書を策定しほかの研究活動をサポートし、最大限に国益に貢献する。AIMSの取り組みにより強固な分野横断的チームを形成し、共同研究ネットワークを利用して外的サポートを引きつければ資源の有効利用が可能となる。この方針はこの3カ年計画でさらに発展する予定である。すべての研究チームの実施計画では、成果を最大限に上げるには外部との共同研究と協力関係が必要であると明言している。
次の3カ年計画では、とりわけ3つの新しいイニシャティブに焦点を当て外部との共同研究を促進しAIMSの能力を目標到達に向けることになっている。それはAIMS@JCU、アラフラ・チモール研究施設、AIMS-NOAA共同戦略である。

(1) AIMS@JCU
2003年半ばにかつてのAIMS関連組織とジェームズ・クック大学について決定がなされ、ジョイント・ベンチャーAIMS@JCUが設立された。これにAIMSの2003年〜2004年の予算から2.9百万豪ドル(25億円)が供出された。このジョイント・ベンチャーは現在もAIMSと大学の協力関係を通じてオーストラリアの熱帯海洋研究と教育の中核的拠点としてのタウンズビルの利点を強化している。AIMS@JCUは海洋科学の成果に焦点を当てている。同時にAIMSと大学の公的関係は国際的プロフィールを強化し、タウンズビルに研究基金と最高の学生と研究者を引きつける役割を果たす。

(2) アラフラ・チモール研究施設(Arafura Timor Research Facility: ATRF)
この研究施設はAIMSとオーストラリア国立大学(ANU)の両者で計画されたもので、インフラを整備し、海洋と沿岸に関する戦略的共同研究を通じて経済成長を促すことを目的としている。2者の統一的展望を実現するために国立研究施設予算から3.25百万豪ドル(28億円)を助成し、2つの組織のジョイント・ベンチャーとして発足した。主要な国立研究施設としてアラフラ・チモール研究施設(ATRF)はインフラを提供し生産的な共同研究を促進する。ATRFは特に社会、経済、生物科学分野を統合して、北オーストラリアと周辺地域に成果をもたらすことに焦点を当てている。
ATRFの主導のもとで、AIMSは以下のことに貢献する。

  • オーストラリアの多様な生物資源を調査、利益追求、利用する能力を高め、
  • 科学と研究成果の商業化を通じて地域の協力関係と地域経済の安定を図り
  • 北部準州の研究能力を強化することにより、地域の石油、天然ガス、その他の大陸棚資源の賢明な利用を促進する

ATRF設立計画は2003年後半に開始され、施設の開所式は2005年6月に行われた。施設はチャールズ・ダーウィン大学に隣接するANUの北オーストラリア研究ユニットのキャンパスに建設されている。
さらにAIMSは来る3カ年間、研究チーム「北オーストラリアのための持続的沿岸開発」とその他の研究ポートフォリオを通じて北部オーストラリアにおける活動を強化する。北部準州や西オーストラリア州政府とは既に強いネットワークが構築されている。

(3) AIMS-NOAA戦略的提携
AIMS、グレート・バリア・リーフ海洋公園局(GBRMPA)、アメリカ国立海洋及び大気管理局(NOAA)は2001年に包括契約(MOU)を結んでおり、AIMSはNOAAと戦略的提携を推進し、できる限り緊密に研究統合を行おうとしている。この2つの組織は能力的に相補的で、例えばNOAAは衛星を利用した遠隔調査が、AIMSは費用対効果の高い地上調査が可能であり、珊瑚礁の生態、水産、水質、気候変化の分野で相乗効果を上げることが期待される。この協力関係強化のためにAIMSの研究者をワシントンのNOAA本局に3年間派遣している。

政府主導計画のサポート
新3カ年計画ではAIMSは主要な連邦政府主導計画にも重要な貢献をする。それはオーストラリア能力援助、オーストラリア海洋政策、オーストラリア海洋科学技術計画、持続的オーストラリアと地域開発などである。
州法と連邦法では、沿岸地域と海洋資源に関して生態的に持続可能な開発を行うという原理を定めている。AIMSの研究の多くはこの分野の国家的能力構築に向けられ、オーストラリア海洋政策にそうように熱帯海洋環境に焦点が当てられている。継続的に生物多様性を解析観察することによって環境保全と生物多様性保全法(1999年)に定める条項を支援する。

利益追求
AIMSは生物遺伝資源へのアクセスの政策、ガイドライン策定とオーストラリア生物資源からの利益獲得に継続的に貢献する。海洋生理活性物質探索の経験は、アクセス合意書整備や利益配分の方針や手順を確立する際に、オーストラリアの法や規制体制に役立つ。
また商業化担当官を最近任命したので2003年から2006年研究計画に基づく利益追求の能力が強化され、法的変革の結果生じる機会を最大限利用できるであろう。AIMS制定法の改正により、研究活動の中で技術移転の新しいモデルを行使するに必要な法的権限がAIMSに与えられている。その結果、研究成果の商業化の法的資格が強化され、海洋からの発見に基づく海洋以外の分野への応用やその逆の分野の開発も焦点となっている。さらにAIMSは知的財産の監査も行い、商業化政策の改定指針も提出している。

海洋バイオテクノロジー部門
オーストラリア海洋政策では海洋天然資源の探索と生態的に持続可能な利用の戦略的統合を図っている。海洋バイオテクノロジー部門は生理活性物質探索チーム(BMDチーム)、バイオ革新チーム(BIチーム)、熱帯養殖チーム(TAチーム)から構成されている。研究分野として海洋遺伝資源からの新規生理活性物質の発見、海洋環境テクノロジー、医療保険分野のテクノロジー、養殖産業の持続的開発、その他商業利用も含んでいる。オーストラリア海洋生物からの新規生理活性物質探索の目的は、医薬や健康関連分野製品、農産物保護のための農薬、環境保護のための環境汚染物質分解手法の開発である。新規活性物質探索は、海洋生物の極限的な生息環境への適応の結果生産する生物毒素、防汚剤、シグナル伝達物質、その他の分子防御物質の研究と相補的である。これらの生化学的機能を理解することにより、新規有用海洋生産物を合目的に発見できる可能性がある。熱帯養殖研究ではエビの養殖と遺伝学、新しい養殖、工場生産の新手法開発などが焦点である。
AIMSの研究と国際的なバイオインフォマティクスやゲノム解読プロジェクトの統合により、新しいターゲットに活性を示す天然化合物の発見に努め、疾病治療、農作物保護、畜産物保護に役立てる。様々な先端的研究機関との共同研究によってオーストラリアの研究開発の幅を強化する。その結果、国内外の投資家に魅力あるプロジェクトと成果物を生み出すと考えられる。

(1) 生理活性物質探索チーム(BMDチーム)
BMDチームは専門分野横断的チームで、海洋生物学者、生化学者、海洋微生物学者、天然物化学者、薬理学者、情報技術者からなる。熱帯あるいは南極の海で採集したサンプルはタウンズビルの中央研究所の実験室に持ち帰り、抽出物サンプルを作る。こうして海洋由来の微生物菌株ライブラリー、海洋生物の抽出物ライブラリー、単離した化合物ライブラリーなどをそろえている。この抽出物から有用な活性を示す化合物を探索するのである。単離精製、構造決定には最先端の分析技術や、600MHz NMRほか最新鋭の機器分析設備を利用して行われ、新規物質は特許を取得する。こうした化合物は共同研究先の企業に医薬開発候補として送られる。
AIMSのBMDチームは製薬と農薬のリード発見と開発に関与している。2003年から2006年計画では新興耐性の問題に取り組む。これは抗生物質と感染症治療にとって重要な問題であるばかりでなく、除草剤、抗かび剤、殺虫剤など農薬分野でも重要な課題である。

(2) バイオ革新チーム(BIチーム)
このチームは生態学者、化学者、生化学者、微生物学者、遺伝学者からなり、最先端のテクノロジー開発を行っている。これを第1に新しい分子遺伝学テクノロジーを環境解析に利用している。チームは革新的技術を開発し、海産物や飲料水の汚染検査システム、水産分野の病気・診断、海洋生物の環境ストレスの評価などに応用している。第2に自然の老化のプロセス、防御機構、抗酸化作用などを解明し、変形疾患の治療や癌予防に役立てる。海洋産物から単離精製された抗ガン剤の候補化合物を量的に確保するには、従来は海洋生物を大量に採集しなければならなかった。そこで環境破壊を防ぐために候補化合物の生合成遺伝子を大腸菌にクローニングして実験室内で生産できる技術を開発提供している。

南極における活動
海洋天然物化学は1970年代からオーストラリア、米国、日本などを中心に学術研究が盛んになり、多くの新規化合物が発見された。1980年代にはいると海洋天然物の熱はかなり冷めて撤退した研究所が多かったが、スペインのPharmaMarで発見され現在開発中の抗ガン剤が引き金となり、最近再び脚光を浴びつつある。事実、2005年6月にロンドンで開催された天然物創薬のシンポジウムや同年8月にシカゴで行われた米国産業微生物学会(SIM)の年次大会で発表された新規天然物の多くが海洋由来であった。さらに、2002年、米国の国立ガン研究所(NCI)によれば、これまでに世界中で発見された抗ガン活性物質の28%はオーストラリアとニュージーランドの海洋由来である。AIMSの研究対象は主としてグレート・バリア・リーフなど熱帯・亜熱帯の海洋生物であるが、AIMSでは南極も調査対象に入れている。南極は1959年の南極条約により、学術研究の自由、すべての地域へのアクセスと共同研究は可能であるが、軍事活動、核実験、鉱物資源採鉱は禁止されており、特に経済的権利主張はできない。しかし、AIMSでは、1)スポンジが創薬シード化合物を生産する理由の解明、2)環境汚染、地球温暖化の影響調査、3)海洋生物の熱帯と極地の比較調査などのため南極における調査研究を行っている。南極では海を覆っている厚い氷に直径1-2mの穴を開けて氷の下の海に潜り探索を行って多くの生物を採集、同定、比較解析を行っている。


保存菌株ライブラリー
  藍藻類放線菌類菌類細菌類合計
マングローブ 0 8 91 57 156
環形動物 0 0 7 23 30
コケムシ 0 11 53 66 130
緑藻類 1 0 54 104 159
原索動物 5 1 146 393 545
刺胞動物 11 2 113 264 390
甲殻類 0 0 7 269 276
棘皮動物 0 2 9 200 211
軟体動物 1 2 11 218 232
褐藻類 1 1 29 21 52
海綿動物 33 20 405 1508 1966
珪藻類 0 0 1 21 22
紅藻類 0 1 48 84 133
星口動物 0 0 0 18 18
Total 52 48 974 3246 4320

AIMSはこれまでに1万サンプルの海洋生物と1万サンプルの海洋微生物をオーストラリア周辺と南太平洋で収集している。このうち4320株の微生物を968サンプルの海洋生物から分離した。このうち菌類が974株、放線菌が48株、藍藻が52株、残りの3246株は細菌である。これらは130℃の超低温で保存されている。これらの菌株は他の生物から独立して生活しているものと組織内に共生しているものとがある。最近はいわゆる難培養微生物に注目して分離を心がけている。現在保存リストの更新中であるが、保存菌株の内訳は表1のとおりである。一部南極由来の菌株もある。

関連組織
BMDチームの主要な利害関係機関としては、オーストラリア農林水産省(AFFA)、アムラド社(オーストラリアの製薬企業)、バイオテクノロジー・オースト社、セリリド社(AMRADのスピンオフベンチャー)、ビジネス産業資源開発省(DBIRD)、オーストラリア環境省(EA)、水産研究開発会社(FRDC)、クイーンズランド大学分子生物科学研究所(IMB)、米国国立ガン研究所(NCI)、北部準州ビジネス産業資源開発省(NTDBIRD)、ニューファーム社(Nufarm )、クイーンズランド州経済革新情報省(QDIIE)、クイーンズランド州開発庁(QDSD)、クイーンズランド環境保護庁(QEPA)、西オーストラリア内閣・首相(WA P&C)など。主要パートナーとしては、連邦科学産業研究機関(CSIRO)、ジェームズ・クック大学(JCU)、北部準州国土審議会(NLC)、ニューファーム社、クイーンズランド一次産業省(QDPI)、トキシテック社(Toxitech)、西オーストラリア大学(UWA)など。




2)北部準州(Northern Territory、NT)

北部準州ビジネス産業資源開発省(NTBIRD)は外部からの技術導入、現地での共同研究、留学生の誘致などを積極的に進めたいと考えている。AIMSとオーストラリア国立大学のジョイント・ベンチャーであるアラフラ・チモール研究施設(ATRF)は、NTの資源と住民に通ずる研究を促進してアラフラ・チモール地域に還元するために設立されたインフラ設備である。我が国の民間あるいは公的機関がレンタルラボとして利用することも可能である。
メンジーズ医科大学(MSHR)は熱帯あるいは遠隔地の原住民の健康に関する研究と教育機関である。NTBIRDとしてはここに我が国からの留学生が来ることを期待しているようである。
北部準州公園・野生生物委員会と北部準州立標本館では20年以上にわたり原住民の伝統的知識を収集している。それは西欧的近代化の過程で失われつつあるアボリジニーの文化遺産を保護し、彼らの知的財産として自立に利用できるようにするためでもある。印刷物として既に刊行されているものでも応用の立場から有益な情報が得られる。
また北部準州標本館が中心となって、オーストラリア全体の標本館の情報を統合し「オーストラリア・ヴァーチャル標本館」というデータベースを構築している。600万を超す標本のうち75%がデータベース化され、オーストラリアの野生植物に関する総合情報が得られる。ただし一部は公開が限定的である。


アラフラ・チモール研究施設(ATRF)
Arafura Timor Research Facility、ATRF (http://www.atrf.org.au/)

概要
アラフラ・チモール研究施設(ATRF)は3.25百万豪ドル(28億円)をかけてAIMSとオーストラリア国立大学のジョイント・ベンチャーとしてオーストラリア政府の主要研究施設インフラ整備基金の補助を受けて建設された。ATRFはアラフラ・チモール海地域の資源と人々につながる研究を促進し、実際に研究を行う研究者にインフラを提供している。ATRFはチャールズ・ダーウィン大学の隣、ブリンキンのオーストラリア国立大学の北オーストラリア研究ユニットに位置し、総床面積は約1100m2である。

施設は以下の設備を備えている:
  • 9つのオフィスをもち、8つは14.5m2で1つは29m2、後者は短期滞在の研究者用
  • 実験室は物理的封じ込めレベル2の要件を満たし、顕微鏡室、機器室、処理室、洗浄室、保存室を含む
  • 安定同位体比質量分析計(SIRMS)研究室と準備室
  • 防疫レベル2の研究室
  • 魚類解剖室

ATRFの機能
ATRFは国立研究施設で、アラフラ・チモール海域の生物資源とほかの天然資源に関する自然科学と社会科学の研究と、これらの持続的かつ環境に配慮した利用をサポートする。ATRFはインフラを提供して国レベル、州レベル、私企業、近隣の海外組織との契約をサポートする。ATRFは以下の先端研究を援助する。

  • 海洋科学、海洋学
  • 水産、養殖
  • 気候変化
  • 海洋地域社会の民俗学・人類学
  • 原住民の問題と必要性
  • 原住民産業促進
  • 国際・地理政治学問題
  • エネルギー、石油、天然ガス
  • 船底の汚水、バイオハザードなど海運
  • 沿岸保安と監視

利用について
この施設はオーストラリアのみならず海外の組織や個人も利用できる。利用の登録をする場合はATRFアクセス政策説明書を参考にすること。使用料は利用する部屋、スペースの広さで定められており、最小単位ラボベンチ幅1mからレンタルできる。オフィスも同様。 登録利用者は以下の質問に答える形でATRFに申し込む

  1. 研究の分野
  2. ATRFの役割との関連性
  3. 何名で利用するか
  4. ラボスペースの必要面積
  5. オフィススペースの必要面積
  6. 必要な特殊機器
  7. ITの必要事項
  8. 利用開始日と終了日
  9. 連絡先

連絡先
Arafura Timor Research Facility, PO Box 41775, Casuarina NT 0811 Australia Email atrf@atrf.org.au 電話:+61 8 8920 9200




オーストラリア・ヴァーチャル標本館
Australia’s Virtual Herbarium、AVH (http://www.chah.gov.au/avh.html)

オーストラリア・ヴァーチャル標本館(AVH)はオンライン植物情報データベースで、オーストラリアの個々の標本館の600万を超す植物標本の科学的データ(現在はその75%がデータベース化)を提供している。標本は過去200年間に収集されたもので、維管束植物から藻類、菌類におよぶ(ただし菌類は主としてキノコ)。収納されているデータは、

  • 分類、学名、シノニムなど学名の変遷、文献
  • 地理的分布、標本の採集地、採集者
  • 線画、写真(一部)
  • 同定キー

このデータベースは1970年代からオーストラリアの標本館が共同でデータのデジタル化を進めてきた。このプロジェクトは以下の公的機関の協力で推進されている。

  • ニュー・サウス・ウェールズ皇室植物園国立標本館、シドニー
  • 北部準州公園・野生生物委員会標本館、北部準州
  • オーストラリア国立植物多様性研究標本センター
  • クイーンズランド標本館・環境資源局
  • 西オーストラリア標本館・環境保護局
  • タスマニア標本館・博物館・美術館
  • ヴィクトリア皇室植物園国立標本館、メルボルン
  • 南オーストラリア植物多様性センター州立標本館
  • オーストラリア植物資源研究
  • オーストラリア熱帯植物標本館
  • ニュージーランド・ヴァーチャル標本館
  • オーストラリア政府、環境・持続可能性・水資源・人口・地域社会省

本データベースの利用者の利点には以下のような点がある

  • 植物情報への簡単で素早いアクセス
  • 珍しい、絶滅危惧種の生息地と分布
  • 自然科学、保存、医薬、農業、園芸のための正しい植物の分類と学名
  • 再生植生プロジェクトのための歴史的基礎情報
  • オーストラリアの野生の植生を楽しむ
  • 種子採集と動物相管理のための生物学情報
  • 外来雑草の警告
  • 自然遺産の理解
  • 自然の植物相、原住民の食物、天然医薬の商業利用と生物資源調査
  • 適切な保護地域の選択
  • 生物多様性調査と採集の優先順位
  • 環境計画
  • 歴史遺産情報

今後の計画として以下の項目があげられている

  • 2006年までに600万の標本のデータを品質プロトコールと分布コードに従ってデジタル化し、検証する(優先順位の高い種については2004年までに)
  • 2002年までに種の分布図をオンラインで表示
  • 2003年までに現在及び過去の学名と命名を標準化した方法でリンクし表示
  • 2005年までに画像、記載、同定ツールを導入を開始
  • 環境決議に用いる分布データの統合メカニズムの開発
  • 標本の価値とデータの利用価値について公的な理解と支持

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