CBD/ABSセミナー
「CBD及び名古屋議定書の下での先進国における提供国措置」
日 時 :平成31年2月13日(水)14:00~16:45
場 所 :フクラシア八重洲 ルームA
参加費無料、同時通訳付き
プログラム
参考資料:
- フランス「生物多様性、自然及び景観の回復に関する法律」第V編「遺伝資源へのアクセス及び利益の公正かつ衡平な配分」(2016年8月9日官報掲載版)JBA訳
- フランス「遺伝資源及び関連する伝統的な知識の取得、及びその利用から生ずる利益の配分に掛かる2017年5月9日第2017-848政令」環境省訳
- スペイン「自然遺産と生物多様性に関する2007年12月13日付け法律第42/2007号の改訂を定める2015年9月21日付け法律第33/2015号」環境省訳
- スペイン「野生の分類群に由来する遺伝資源とその利用規則に関する2017年2月24日付勅令124/2017号」環境省訳
名古屋議定書の採択以降、徐々にではあるが提供国措置を改訂や策定する国が増加している。
そもそも生物多様性条約(CBD)第15条において各国の遺伝資源への主権的権利が確認され、そのアクセスは各国の法令に依ることが規定されていたが、名古屋議定書第5条3項によって提供国措置(立法、司法、行政措置のいずれかによる)は締約国の義務となった(特段の定めを設けないことを決定することも可能)。その為、名古屋議定書を批准する際に、特に、生物遺伝資源に富んでいると考え、かつ法令を定める能力のある国においては、提供国措置を策定する国が多くなっていると思われる。ヨーロッパにおいては、地中海沿岸諸国がそれに当たり、今回講演頂いたフランス、スペインは領土全域に及ぶ法律及び実施規則を定め、実施している国である。
今回は、ユーザにとっては提供国措置の具体的手続き、行政的には我が国が2017年8月20日に施行したABS指針の5年後の提供国措置について再検討に向けての参考として、その提供国措置の内容と実施状況についてお話を頂いた。
両国の制度詳細は資料を拝読願いたいが、双方とも非商業、商業とも遺伝資源に関する手続きがある(スペインは、野生分類群を対象とし、遺伝資源に関する伝統的知識に関する規定はない)ものの、大前提として、日本と制度設計が違い、施行してから実態に合わせて規定を変えていくという柔軟なものとなっている、ということを理解して読む必要がある。