ヨーロッパ連合(EU)
ヨーロッパ連合(European Union : EU)の加盟国は、一つの地域として2015年5月16日に名古屋議定書に批准した。(EU各国はそれぞれで批准)
EUは批准のための担保措置として、世界初となる名古屋議定書に基づく遵守措置であるEU規則No511/2014を策定した。利用者の利便性を考慮して加盟国を一律の規定で統括するため、”Directive”ではなく”Regulation”になっている。PIC発給等の提供国措置、罰則は加盟各国の主権に委ねられている。また、各国は、権限ある当局を指定し、登録コレクションを認定し、利用者の遵守をチェックする責を負う。EU規則 No511/2014は、2015年10月12日から利用者に義務が発生する。
更に、当該EU規則の下に、「第5条 コレクション登録簿」、「第7条 利用者の遵守のモニタリング」、「第8条 優良事例」の態様を定める”Commission Implementing Regulation (EU) 2015/1866 ”(実施細則)が、2015年11月9日に発効した。
草案(Discussion Paper on the stakeholder meeting of 0 December 2014)の時点からは、EU域外で研究開発された最終製品に対するデュー・ディリジェンス履行申告規定が削除されている点が日本のユーザにとって大きな変更といえる。
また、Implementing Regulationを補完する書類として、法的拘束力のない「ガイダンス文書」が2015年中に、2016年中に「セクター別ガイダンス文書」が公表される予定である。
EU規則に関する詳細な情報は、本WEBサイトの資料編に掲載される平成26, 27年度の「環境応用技術開発等(生物多様性総合対策事業)委託事業報告書」や、2015年10月30日に開催したセミナー「名古屋議定書に基づく欧州域内措置の動向」の資料をご覧頂きたい。
2016年3月現在、EU加盟国の内、名古屋議定書に批准しているのは、英国、デンマーク、スペイン、ハンガリー、クロアチアである。
EU規則 No.511/2014
on compliance measures for users from the Nagoya Protocol on Access to Genetic Resources and the Fair and Equitable Sharing of Benefits Arising from their Utilization in the Union (Text with EEA relevance)