インドネシア

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基本情報

(2020.3更新)

インドネシアは、1994年8月23日に生物多様性条約、2013年9月24日に名古屋議定書を批准している。
その実施状況を調査するため、2020年1月に、日本のABS関係機関(経済産業省、JBA、NITE、遺伝学研究所、環境研究所)は、インドネシアの現地調査を実施した。それで得た情報の概略は次の通りである。(詳細は、令和元年度の委託事業報告書参照のこと)
2018年3月に、インドネシアのABSに関する国内当局である森林環境省より「野生種遺伝資源の取得の機会及びその利用による利益配分に関する環境林業大臣規則」が施行されているが、この対象は野生種に関してであり、その他の資源はそれぞれの所管官庁毎に、既存法での取り扱われているようである。ただし、2019年夏に策定された「科学技術の国家制度に関する2019年の法律11」の第79条g項において利益配分が関係者の合意によって配分されるという規定があり、これが法律であって各大臣規則よりも上位であるため、既存法にも掛かってくる可能性があるので留意を要する。(専門家には未確認)。

各資源の当局は、資源又は区域により、下の表にあるように分かれる。

しかしながら、これらの当局に日本人が直接問合せ、アクセス許可が得られるかどうかは別の問題である。
今回の調査では、表中、④以外の当局に訪問してヒアリングさせて頂いたが、どこの省でも日本人のみで許可手続きを執ることは現実的に難しいという印象を受けた。(⑤は本人が申請できるが、カウンターパートのレターやMOUが必要)
従って、なるべく手続きに慣れている適切な研究のカウンターパートを探し、その機関と機関同士の合意書(MoU等)と、日本への移転が想定される場合にはMTA(Material Transfer Agreement)を締結し、手続きを相手側にして貰う、というのがベストプラクティスになるように思われた。(単に手続き目的で、形式だけインドネシアのカウンターパートを設ける、ということが過去にあった様子で、実質的な研究のカウンターパートであることに留意を払っているように見受けられた)

  資源・区域 所管官庁 調査で把握できた法令
野生種及び保護区(陸及び一部の海域) 森林環境省 ・Minister Regulation P.2
野生種のアクセス手続き
栽培作物・米 農業省 ・Minister Regulation No.15/PERMENTAN/HR.060/5/2017
園芸種子の輸入及び輸出
・Ministry Regulation No.37/Permentan/OT.140/7/2011
植物遺伝資源の保全及び利用
海洋資源及びその保護区(一部を除く) 海事漁業省 ・Minister Regulation No.61/2018
CITESリスト品の利用に関する手続き
・Minister Regulation No.10/2010
魚の開発研究利用許可
ヒト由来資源・病原菌 保健省  
外国人のインドネシアにおける研究許可 研究技術省 Government Regulation No.41/2006

<各法令に関する補足>
①野生種(保護区)の取得手続き
日本人がインドネシアで野生種の遺伝資源を取得する場合には、非商業及び商業利用の場合、次の書類を森林環境省(総局)に提出する必要がある。(第9条、第10条)

  1. 申請書
  2. 研究技術高等教育省発行の研究許可証(SIP)、及び
  3. PIC(大臣令ではPADIAという記述) 及び相互に合意する条件(Mutually Agreed Terms)
  4. インドネシア科学院(LIPI)の推薦書:
  5. 法令の規定に則った費用/手数料の支払い

前述した通り、この手続きはカウンターパートによって届け出られることが妥当であり、我が国の研究者が必要とするのは、2と、カウンターパートとの契約である。(MoU+必要な場合MTA)。商業利用の場合、この契約の利益配分についてより精査がされる。ただ、今のところ商業利用の経験がないとのことなので、当局がどのように「適当な利益配分」であると判断するかは不明である。
更なる手続きとしては、野生種の場合、取得時許可手続きに加え、取得場所への予備通知先(例えば、私有地での取得の場合その持ち主と地元の森林環境省地方局等)を特定して通知し、国内移転には森林環境省の地方局の許可(SATS-DN)、海外移転の際はLIPIの推薦状(許可書取得時とは別のもの)と、森林環境省本省の許可(SATS-LN)が必要である等、どこにいつどのような書類を提出するのかを正確に把握する(適正は手続きを執る)ことは外国人にとっては非常に困難であるという印象を受けた。
他方、LIPIのカルチャーコレクションから移転される場合は手続きが異なるので、そちらはNITEに尋ねるか、令和元年の当委託事業報告書を参照されたい。

⑤(外国人)研究許可書
外国人がインドネシアに入国して現地で研究活動を行う場合は、Government Regulation No.41/2006に従って手続きを執らなければならない。省庁再編成によって、全ての研究機関研究技術省の傘下に編入された暁には、手続きはもっと早くなるかもしれないが、現時点では、完全な書類が揃ってから、数ヶ月、入国してから1週間インドネシアの各機関を回って承認を貰わなければ行けない。尚、今回の調査で、大使館や領事館からの推薦状と健康診断書が不要となった、と一方、インドネシア国内で研究活動を行わない場合はこの手続きは不要である。

(2016.11 更新)
海外の大学、研究機関、企業、個人のインドネシアにおける研究には、Government Regulation no. 41/ 2006に基づき、当局の許可が必要です。 手続きは、RISTEKの下記サイトから、オンラインで行えます。

Foreign Research Permit Division: https://frp.ristekdikti.go.id/index.php

Research Permit Procedures(手引書・英語): http://www.international.itb.ac.id/web/wp-content/uploads/2010/05/Foreign_Research_Permit_Procedure_2015.pdf


CBD/ABS関連法令

(2013.2 掲載)
GOVERNMENT REGULATION OF THE REPUBLIC OF INDONESIA NUMBER 41 OF 2006 On ”PERMIT TO CONDUCT RESEARCH AND DEVELOPMENT ACTIVITIES FOR FOREIGN UNIVERSITIES, RESEARCH AND DEVELOPMENT INSTITUTES, COMPANIES AND INDIVITUALS”
インドネシアで研究をするためには、国際共同研究について許可を受ける必要があります。
(2004.7 掲載)
インドネシアの場合、既に植物栽培制度に関する1992年法律第12号による規定があるとはいえ、アクセスが完全に規制されているわけではない。アクセスについてはこの法律以外にもCBDの第8条、9条、15条、16条、19条を合法化するための1994年法律第5号でも説明されているほか、環境保全に関する1997年法律第23号のなかでも間接的に触れられている。しかしいずれにせよ、上述の条項の実施を規定する法律も、実務レベルに関する法的規制も、いまだ定められてはいない。

生物多様性の保護に関して、インドネシア政府は1993年大統領令第100号を発している。この大統領令は、外国の提携相手との共同研究を規制する上で重要なものである。しかし、この大統領令は科学的な問題を対象にしておらず、行政面から共同研究を規制することに重点を置いている。すなわち、ここで定められたのは、適格な共同研究提案、資金源、共同研究要件であり、また、インドネシア固有種で稀少な生物資源や絶滅危惧種はインドネシアで維持しなければならないことも定められている。

このように、インドネシアにおいては生物多様性条約を推進するための国内法が整備されていない状況であり、アクセスは完全に規制されているわけではない。インドネシア政府関係者は、この件に関して議論することは重要且つ急務であると述べている。


その他情報

(2015.3 更新)

過去の調査、報告、2国間ワークショップ


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